港南剣友会 創立五十周年記念誌  

創立五十周年を迎えた港南剣友会の現在の活動の様子をご紹介します。港南剣友会を支えてこられた先生方や関係の方々が積み上げてこられた歴史の上に、今このような形で歩みを進めています。これからも歴史を踏まえつつ、新たな工夫を加えて皆で剣道を楽しめる活動を続けて参ります。


■普段の稽古

毎週土曜日の午後3時からと、日曜日の午前9時から稽古を行っています。毎回全く同じメニューではありませんが、基本的には準備運動、礼、稽古心得唱和、足捌き素振り、木刀基本技、日本剣道形、切り返し、基本稽古、地稽古、切り返し、礼という流れの中から適宜行います。基本稽古や地稽古は子供と大人が分かれて稽古する場合が多いですが、皆一緒になって行う場合もあります。稽古時間は2~3時間程度なので、限られた時間を有効に使いながら、休憩を交えて皆真剣に稽古に取り組んでいます。


■相田胴争奪戦



 
今は亡き相田玲二先生のお名前を冠した試合で、平成17年3月から行われています。毎月最後の日曜日に行われる子供達の試合で、小学生以下の学年に関係なく勝敗を競います。優勝者には左写真の「相田胴」が手渡され、次のひと月間、稽古の際に身に着けることができます。相田胴争奪戦により相田玲二先生の功績を称えると共に、剣友会の活動を活性化と子供達の動機付けのために始められました。相田胴争奪戦も14年目を迎え、歴史を刻みつつあります。尚、大人の先生方はこの場を使って審判の練習を行います。大人の先生方にとっても貴重な稽古の場となっています。


 ■少年剣道まつり

   
毎年5月5日子供の日に開催されます。通称「子供まつり」です。令和元年の今年で第48回を数える伝統行事です。子供達による木刀操作披露や学年別の試合の他、剣道の経験の無いお父さんやお母さんが防具を着けて、子供達を相手に稽古をする「親子稽古」は見ものです。子供達の成長を身を持って実感して頂いています。また、参加者全員が東西に分かれて試合を行う「東西戦」は圧巻です。この試合は声を張り上げて自分達のチームの応援を行います。この声援のお蔭で普段出せない力が湧いてきます。この東西戦では「名人」が少年剣士2~3名を一度に相手する試合も恒例になっており、毎年楽しみにしています。  

 ■少年剣道錬成大会

   
港南剣友会最大の行事で、剣友会創立の年から毎年秋に開催され、令和元年の今年で第50回の開催となります。午前中は主に剣友会内部の子供達、学生、女性、一般男子の個人戦が行われます。近年は齋藤道場剣友会さんも交えて試合を行っています。特に女性の試合は「藤原杯」と名付けられ、女性に優しかった今は亡き藤原隆則先生のお名前を冠しています。午後からは交流のある剣友会7~8団体を招いての招待団体試合が行われます。招待団体試合は学生の部と一般の部が執り行われ、いずれも県下で強豪の剣士ばかり。多くの参加者で会場が盛り上がります。また、午後の部の最初に行われる日本剣道形の演武も恒例となっています。港南剣友会で修行を積む2名の先生が毎年選抜され、佐藤則夫先生の厳しいご指導を経てのお披露目となります。

■縁日と映画の夕べ

毎年7月に桜岡小学校で行われる地域の縁日で、港南剣友会として稽古披露を行っています。7月の炎天下の中、防具を着けての基本技や掛かり稽古の披露を行うため、熱中症には特に注意を払いながら行っています。2016年と2017年にはダンスチームZESTさんとのコラボレーションで、剣道をダンスに組み込んだ演目も行い、会場を大いに盛り上げました。また、面に風船を括りつけて一般の子供達に割ってもらう「風船割り」も恒例イベントです。毎年小さな子供から小学生高学年ほどまで、多くの子供達が竹刀を手に、精一杯力を込めて風船割りに挑戦します。このイベントを通して、少しでも剣道に興味を持ってもらえるよう、先生方も楽しみながら風船割りに耐えています。   

 ■全日本少年少女武道錬成大会
  日本武道館


   
   毎年7月に九段下の日本武道館で開催される錬成大会で、日本全国の道場・剣友会から子供達が集結し、基本技や団体戦で普段の稽古の成果を競い合います。日本武道館全体が少年少女の剣士達で埋め尽くされる様は、まさに壮観。この晴れ舞台に臨むため、港南剣友会からも毎年選手を選抜して挑み続けています。選抜された選手と監督となる先生は、本番に向けて別メニューで稽古に励んでいます。いつか優秀な成績が修められる日が来ることでしょう。

 ■夏のレクリエーション

   
夏休みシーズン。少し剣道を離れて大人も子供も一緒に精一杯遊ぶイベントです。近年でもボーリング大会、野島公園バーベキュー、鶴見キリンビール工場、生命の星・地球博物館見学など、さまざまなレクリエーションが催されてきました。それよりも以前は「夏の一日稽古」としてレクリエーションを取り入れた稽古や、校庭での夜の花火大会、体育館に布団を持ち込んでの合宿なども行われていました。子供達が少なくなってくると、なかなか実施できないイベントです。これからも大勢の子供達とレクリエーションが楽しめる剣友会でありたいですね。  

 ■六年生を送る会

   
  小学生時代に港南剣友会でともに剣道を学んだ仲間も、小学校卒業とともに港南剣友会を巣立っていきます。中学生になって引き続き剣道を志す子もいれば、別の道を選ぶ子もいます。中学の部活動で剣道を選ぶ子も、部活動が忙しくなり港南剣友会で稽古をする機会がめっきり減ってしまいます。なので、小学校卒業を一つの区切りとして、この「六年生を送る会」を催しています。とは言っても、それほど仰々しいイベントではなく、卒業生を中心として、後輩の子供達や先生方が全員で順番に掛かっていきます。結果として卒業生は多少ヘトヘトになるわけですが、港南剣友会で学んだ剣道を後輩や先生方に見て頂く場であり、先生方からはその成長を感じる最後の機会となります。卒業生には記念の竹刀が贈呈されます。中学生になっても、剣友会に戻ってきてほしいと願うばかりです。  


【番外編】

以下は以前行われていた恒例行事や、恒例ではないが特筆すべき行事についてご紹介します。


 ■慰霊堂観桜会

   
毎年4月になると、これが楽しみでした。4月初めの日曜日に慰霊堂で行われていた「観桜会」です。2012年を最後に今では開催されていません。 地域多数の団体が参加し、ブラスバンドや居合、空手、忍術などの稽古披露があり、もちろん港南剣友会も稽古披露を行いました。稽古披露の後は桜の下にシートを敷いて、みんなでわいわいとお花見です。肌寒くて大変な年もありましたが、慰霊堂の桜は本当に見事で、春の到来を感じることができる行事でした。
 

 ■西丹沢八戒荘合宿

   
  2009年 平成21年9月に、港南剣友会の大人と子供一緒に西丹沢の八戒荘で合宿を行いました。大型バスを1台チャーターして西丹沢まで移動します。稽古場となる道場はロッジから少し歩いた離れにあります。剣道の稽古ももちろん真面目に行いますが、夜の花火大会や大浴場で一緒に入る風呂、2日目の川遊びなど、剣道以外の遊びも思いっきりできて、とても良い思い出となっています。開催してからもうこんなに経つのか、と驚くばかりですが、機会があれば是非また開催したいイベントです。

 ■下田観音寺温泉 大人の合宿

   
2007年と2010年の2度行われました。都合がつく大人の先生方だけで、下田にある観音寺温泉での一泊二日の合宿です。ここにはとても大きな体育館があり、柔道のやわらちゃんも利用したとのこと。本館の設備もとてもきれいで充実しており、温泉も食事も言うことなしの楽しい合宿でした。あ、もちろん剣道の稽古が目的ですが、稽古の疲れも癒せる施設やサービスも満点でした。帰り掛けには魚料理のお店に立ち寄り、おいしい金目鯛の煮つけ定食を食べるのが、過去2度の恒例となっています。こちらも最後に行ってからもうこんなに経つのか、と驚くばかりですが、また絶対に実施したい合宿です。   

 ■プロジェクトひまわり 

   
  
湯殿山剣道スポーツ少年団のみんな
神奈川県警小山先生を交えて
2011年 平成23年の3月11日。東北地方を未曾有の大震災が襲い、後に東日本大震災と呼ばれるようになりました。震災の地で剣道を志す仲間を元気付けたい。港南剣友会として何かできないかと佐藤則夫先生を中心として取り組んだのがプロジェクトひまわりです。石巻の湯殿山剣道スポーツ少年団を桜岡小学校に招き、共に稽古をし、体育館での親睦会では被災体験や石巻の様子を伝えてもらいました。また、翌日の錬成大会にも招待団体として参戦して頂き、交流を深めました。佐藤則夫先生はその後も石巻の大会に毎年赴き、審判を務めるとともに、長く交流を続けました。
 
 また、石巻市立谷川小学校の子供達7名に、つなぎ合わせると大きなひまわりの絵となるハガキを送り、元気を送りました。石巻市の子供達や谷川小学校の校長先生からは、それぞれ想いのこもった感謝の手紙を頂き、逆に剣友会の子供達や先生方のほうが勇気や元気を頂いたという、貴重な経験をさせて頂きました。    
石巻市立谷川小学校のみんな
 

ここでは恒例行事を中心として、特別な行事も含めて現在の港南剣友会の活動をご紹介しました。ここでご紹介した以外にも、新年のお汁粉会や救急救命講習会、各種試合や港南区剣道連盟主催のイベントへの参加など様々な活動を行っています。 港南剣友会では、今後も積極的な活動を通して、子供達の成長を見守って行きます。

  
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